単一雨漏りとは?
全ての雨漏りの原因を見つけることは難しいと言われています。雨漏りしている箇所は一か所だけではなく、複数箇所に分かれていることが多いからです。
プロが雨漏りの原因を探る時には、経験に基づく仮説を立てて現場での調査を重視しています。仮説を立てる時に重要な考え方の一つで、雨漏りの基本といえば、「単一雨漏り」があります。今回は、単一雨漏りについて解説していきます。
雨水の浸入・浸出が一か所しかない
単一雨漏りは、雨水の浸入、浸出箇所が一か所しかない雨漏り被害のことです。浸入とは、雨水が入ってくることで、浸出とは、雨水がしみ出すことです。単一雨漏りは、雨漏りの基本的な考え方で、雨が建物内に入り込む箇所が1か所で、建物内で出てくる箇所も1か所となっています。
つまり、雨漏りの原因が一つしかなく、雨漏りが発生している箇所も一つしかないので、調査でも発見しやすく、補修もしやすい雨漏りのパターンになっています。
雨漏りパターンは他のタイプのほうが多い
実際の雨漏り被害の現場では、単一雨漏りによる雨漏り被害というケースは少ないようです。単一雨漏り以外には、「複数浸入雨漏り」、「複数浸出雨漏り」、「創発雨漏り」があり、どちらかというと、単一雨漏り以外の雨漏りパターンが多いと考えられています。雨漏り修理をしても完全に雨水の浸入をストップできない場合は、単一雨漏りではないことがわかりますし、詳細な雨漏り調査を行う必要があるでしょう。
雨漏り診断・雨漏り調査では全ての可能性を疑う
専門家による雨漏り調査では、単一雨漏りによる雨漏り被害だと最初から決めつけることは少なく、目視調査以外にも散水調査や赤外線サーモグラフィー調査などの特殊な機器類を使って、複数の雨漏り箇所がないかどうかをしっかりと確認しています。単一雨漏りは、雨漏りの原因と現象が一対一で対応しているわかりやすいパターンですが、実際の雨漏り被害の原因はもっと複雑です。
雨漏り補修よりも雨漏り調査を重視している理由も、単一雨漏りではなく、「複数浸入雨漏り」、「複数浸出雨漏り」、「創発雨漏り」などの可能性が考えられるため、全ての雨漏り原因についての可能性を疑いながら調査を進める必要があるでしょう。
雨漏りを根本的に解決するには、あらゆる雨漏りの原因を突き止めることが大切だからです。雨漏り調査は、補修工事よりも慎重に時間をかけ、徹底して調査を行うことが必要とされており、手抜きが許されない重要なポイントだということがよくわかります。
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