雨漏りしやすいのは複雑な形状の屋根
屋根の形状はシンプルなものから、モダンなデザインのものや複雑で重厚感のある形状など、さまざまな形状の屋根が存在します。お気に入りの屋根の形や雰囲気を重視する方も多いとは思いますが、形状が複雑になればなるほど、雨水の浸入できる箇所が増え、雨漏りが発生するリスクが高まります。
今回は、雨漏りしやすい複雑な形状の屋根を選ぶ際の注意点やメンテナンスの重要性について解説していきます。
屋根の種類でいう複雑な形状とは?
屋根の種類でいう複雑な形状とは、形だけの問題ではなく、隙間やつなぎ目などがたくさんある屋根材のことです。構造がシンプルな屋根材は、隙間や継ぎ目が少ないので雨漏りのリスクが少ないと言われています。逆につなぎ目や重なる部分や隙間が多い屋根材は、防水工事をしていても、大量の雨水や風による雨水の逆流などにより、建物内に雨水が浸入してしまう恐れがあります。
つなぎ目の多い建物は、屋根の種類だけが問題となるわけではありません。デザイン性の高い建物や増改築を何度も実施している屋根は、複雑で雨水が浸入する隙間がたくさんあります。雨樋も雨水がうまく流れずに水が溜まって溢れるような状態になることがあります。このような理由から、屋根の構造をシンプルにすると、雨漏り対策に有効だということがよくわかっていきます。
陸屋根や片流れ屋根は雨漏りしやすい
屋根の形状でいえば、複雑といえるかどうかは意見が分かれますが、陸屋根や片流れ屋根は、雨漏りリスクの高い屋根です。「陸屋根(りくやね)」は、平らな形状をした屋根材です。
屋根部分はシンプルとはいえず、屋根全体には必ず防水工事が実施されています。防水性能が劣化すると、水溜まりができ、防水層の破損した箇所から雨水が浸入して雨漏りを引き起こします。
陸屋根は、人が移動したり、ベンチや物置、植木鉢を置いたりすることがあります。床面が傷みやすく、防水性能も次第に低下していきます。屋根を酷使するような使い方をすると、陸屋根は確実に雨漏りしやすい屋根材として考えられるでしょう。
「片流れ屋根」は、見た目の形状はシンプルです。外観がおしゃれに見えますので、若い世代に人気です。ところが、雨水の処理では片方に大きな負担がかかるので、雨樋がうまく機能しないことがあります。
ケラバが長く、横風の雨が当たりやすいので、外壁からの雨漏りリスクが高い屋根です。片流れ屋根は、屋根の構造はシンプルですが、片方に雨水が集中し、バランスが悪いため、雨漏りが発生するリスクを高めてしまっています。
雨漏りに強いのは「切妻屋根」「寄棟屋根」
屋根は、シンプルなだけではなく、バランスの取れた形状をしていると、地震や雨漏りにも強い屋根ができます。特に「切妻屋根」は、シンプルな構造で、継ぎ目が少なく、左右のバランスもよいので、メンテナンスが簡単で、雨漏りがしにくい屋根です。雪の多い地方でも十分に対応できます。
「寄棟屋根」は、屋根面が2面ではなく、前後左右の4面もあることから、外壁にかかる雨水が少なく雨を分散できます。全面に軒がありますので、雨漏りリスクが少なくなっています。「切妻屋根」や「寄棟屋根」には、それぞれの弱点もありますので、定期的な点検とメンテナンスは忘れないようにしてください。
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