別荘地では雨どいを付けない理由
建物には必ず雨どいが取り付けられている、という思い込みを覆すのが、別荘地の建物の屋根です。別荘の屋根には雨どいが取り付けられていないことがあります。これには別荘地ならではの特殊な事情があるからです。今回は、その理由について少し詳しく解説していきます。
自然豊かな別荘地ならではの雨どい事情
別荘地といえば、一般住宅よりも自然の豊かな場所にあるため、周囲に背の高い樹木や落葉樹などがたくさんあり、秋の季節を中心に落ち葉が増え、泥や土と一緒に雨どいに入って、雨どい詰まりの原因になってしまいます。
別荘地は、毎週訪れるようなところではなく、よく利用する人でも一年に数回利用する程度です。別荘の管理は結構大変ですし、雨どいに泥、落ち葉、ゴミが詰まったり、積雪により、雪の重みで雨どいが歪んで雨水が流れにくくなってしまうことがあります。別荘を訪問する度に雨どいの清掃をするのも面倒です。そのために新築時から雨どいを取り付けない別荘が多いようです。
雨どいを取り付けない場合は、デメリットもありますので、プラスとマイナスの両面を比較検討した上で雨どいの設置を検討することが重要です。
雨どいがないことで生じる問題
雨どいがないと、雨水の地面の跳ね返りで外壁材や木材、ウッドデッキなどが濡れ、湿気が増え、腐りやすくなります。カビが繁殖しやすくなっているので注意が必要です。
雨どいがないので、建物の下にある地盤や基礎にまで水分が浸入し、湿気を増やす原因になってしまいます。基礎部分から建物内部へと湿気が移動しやすく、室内がカビやすくなることがあります。別荘は、閉め切った状態が長期間続くので、風通しが悪いために湿気がこもり、内側からカビがたくさん生えることがあります。
雨どいがないと、建物が確実に傷みやすくなります。清掃が面倒なら、外部業者に管理を委託したり、雨どい清掃を依頼したりして、意識してメンテナンスを行うようにしましょう。
雨どいは後付けでも取り付け可能
雨どいは、後付けでも取り付けることができます。別荘の雨どいの素材としては、塩化ビニルなどよりも衝撃に強いポリカーボネート樹脂などが選ばれています。落ち葉や雪などの重みや圧力などに耐えられる雨どいは、一般に普及している雨どいよりも高い耐久性や耐衝撃性が要求されます。価格も高くなり、雪止めも必要です。破風板に取り付ける場合の適応勾配が少ないので、対応できない時は設置できない場合があります。
別荘に訪れる機会が多い場合は、年に1回でも落ち葉の清掃をしておくと、雨どいのトラブルを避けることができます。落ち葉対策に「落ち葉防護ネット」をすすめる雨どい業者もいますが、期待するような効果が得られないのが実情です。
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